第1回 インターネットの非匿名性について

インターネットは匿名でないカラクリとその理由


 インターネットは匿名性の高いメディアと思われがちであるが、特定されやすいメディアであることも忘れてはいけない。
 携帯電話利用による「インターネット」は、個人を特定することが可能である。

 その理由を考えてみると、
 利用量に応じて利用料を算定する仕組みである以上、特定出来なければ都合が悪い。
しかし、限られた情報で調査をするには、膨大な時間がかかるため、企業がすんなりと受け入れするかと言えば別問題となる。
 さらに、掲示板に書き込まれている情報にはIPアドレスと、機種情報を記録する事は可能となるため、「絞り込み」が可能になると言うことだ。

 また、他の事例と事なり、「芋づる式」に事実が発覚することが多い。

 もちろん、このケースはすべての情報がそろって初めて発覚することであるため、特定させる為の段取りが重要となる。

 パソコンの場合は、携帯電話と違い、国内だけで追う事が事実上困難となるため、海外法律や関係機関への働きかけも必要となる。今回は、国内発信元で、国内ユーザに限った話で進める。

 逆に言えば、海外から発信した場合、国内での「発覚」は遅れても、海外の法律で「処罰」されることもあるため、同じ事である。

 携帯電話の場合、「なりすまし」が事実上不可能である。万一可能とした場合は、本人の携帯電話を盗んで発信しない限りあり得ないからだ。仮に、このような行為を行えば、インターネットにおける「誹謗中傷」だけでなく、「窃盗罪」で処分され、さらに「名誉毀損」で併科することになる。

掲示板に自分の書き込みを見つけたらどのように対処するか?

 

誹謗中傷を見つけた場合は、「情報の保全」を第一に行います。
 画面コピーと書き込まれたホームページの正確なアドレスをチェックする事が大事です。さらに書き込みについては「削除依頼」をかけない事が肝要です。書き込みを消すことは簡単であってもまた「書き込まれる」ため、結果として何一つ解決につながりません。
 すべてが明るみにでて、書き込み者が特定できた段階ではじめて「削除」を行うことになります。
 最近の掲示板では、「削除」ではなく「表示からはずす」と言う方式が増えてきています。従来は、物理的に行っていましたが現在の問題をかんがみ、残す傾向になっています。そのため、削除処理を行った時間と削除したときの端末環境も記録されるため、単独か複数か調べる事が可能になります。
 この情報を整理した上で、ホームページの管理会社、警察署などを通じて連絡を行います。

 

どうしても許せない!犯人を見つけるには?  


掲示板の悪質書き込みに関する被害は年々増えてきており、個人間となると諦めてしまう事がほとんどです。しかし、よく考えると犯人の約9割は「被害者と加害者は面識がある場合」がほとんどです。
 被害者は加害者が誰であるかを知っていると言う理由は次の通りです。

加害者は被害者のメールアドレスを知っている
加害者と被害者の間で大小問わずトラブルが起きている
加害者は被害者の性格を知っている
加害者は被害者の個人情報を把握している(一般レベル程度)
加害者は被害者にとって面倒・迷惑な存在である(利害関係がある)

 

 これは、学校で子どもたちの情報が流出し、被害者の子どもが不登校や転校を余儀なくする原因であるため、大変重要な事になっています。
 インターネットということで事態を複雑化していることは、「携帯電話」「パソコン」といった機器を使う事でブラックボックス化していると思いこんでいる点といえます。

 もっとわかりやすく説明すると「消去法」で犯人は特定出来ると言うことになります。

小学校の場合は学年を主に考えれば良い
中学校の場合は、小学校の校区まで対象
高校の場合は、中学校の校区+学校外の情報も確認する必要がある
一般の場合、「過去にトラブルがある」「日頃からやりとりがある」関係者

 

 これが大きな枠組みで、さらに「利害関係者」を割り出す事になります。

 犯人は被害者と日頃から接することが多い人間であるため、まさかと言う事がほとんどかと思います。学校の場合は、同学年、一般の場合は、過去5年〜10年の間が目安になります。

 このように、対象をざっくり広げ、さらに携帯電話のホームページの場合、パソコンからアクセス出来ないケースがほとんどです。さらに、掲示板の情報に機種情報が記載されている場合、被害者の機種と異なる場合は、加害者の機種を照合する形で「あっさり」割り出すことが可能となってしまいます。
 仮に、被害者と加害者の機種が同じ場合であっても、同様です。携帯電話の機種にはそれぞれ「固有番号:通称(個体識別番号)」が振られており、個体識別番号を元に契約電話会社へ関係機関(警察)を通じて照会をかけ調査することが可能になります。

巧妙になると、本人の携帯電話ではばれるから親の携帯電話をつかったりするケースなどその方法は多岐にわたると言って良いでしょう。そのため、照会は、何も知らない「契約者」へ「電話会社」を通じて入るため、契約者は探られたくない腹も見せなくてはいけない事態になることは言うまでもありません。事実を知らなければ、そのとき誰が使っていたのかを明確に説明する義務が出てくるため、結果、特定はさら簡単になります。

 また調査の段階で、誰が「犯人」であるか浮上してくる為、ほとんどの場合、内々で処理していることが現状です。

 私自身も可能な限り「警察」を使わずに解決していただきたいと願っております。残念ながら、このようなトラブルは年々増加傾向となっています。

 犯人の絞り込みはこのような理由から、「携帯電話を持っている」「書き込みをした電話会社と同じ」「被害者のメールアドレスなど個人情報を調べやすい立場」など要素は様々であり、メールアドレスについては、必ずしも「重要」ではありません。

 

被害があるのに証拠を提出できないから関係機関が動いてくれない。どうすれば良いか?

 

 とにかく、関係機関が調べる事が出来るように「資料」を集めることです。
ただ、資料提出の際、大きく考えなくてはいけない事は資料の信憑性と、第三者機関からの結果である事が大切になると思います。
 第三者機関からの資料提出をおすすめする理由は、「本人」が気づかない情報を事細かに調査し、時系列に調べた情報より関係機関が情報開示を求める事が出来るように段取りを行う事が出来ます。 もちろん、この作業は、特別な機械を使うわけでも無く、調べるポイント(事象により異なります)があります。

1:発生日時(年月日・時分秒)
2:記載されたホームページのアドレス(ドメインなど)
3:書き込みを行った端末の種別(接続元IPアドレス)
4:記載内容
5:メールアドレスの有無
6:その他調査段階で必要と判断した内容

 ちなみに、ドメインはあくまでも「参考」にしかなりません。
 大事なのはドメインを管理している「会社」を突き止めることです。
 管理会社とドメインが同一の場合は、さらに上位機関を調べる事になります。

 ここまで提出できれば、調査も迅速に行うことが出来、事件解決が行われることと思います。
 逆に言えば、上記5項目をおさえておけば、客観的調査は終了と言うことになります。その後の調査において、関係機関(警察)からインターネット管理会社(プロバイダ)などへ問い合わせをかけ、調査を行い、利用者の特定につなげる事が可能になります。

  

©Copyright 2008 ai2station all rights reserved.